療育センター きぼう 様
重症心身障害児(者)施設向けシステムソリューション
社会福祉法人 希望の家
療育センター きぼう
運用システムのカスタマイズで
医療・介護・福祉事業を一元的に管理
導入前の課題
- 情報精度の向上と業務の効率化
- 医療・介護・福祉施設間のデータの共有
導入後の効果
- 事務作業の効率化により安全性とサービスが向上
- 各施設間での情報共有が正確且つスムーズに
導入経緯
多岐に渡る事業展開の中でスムーズな相互連携による業務の効率化が課題
当法人では、同一敷地内に病院、特別養護老人ホーム、障害者自立支援センター、訪問看護ステーションなど、多岐に渡る事業施設を有し、医療・介護・福祉それぞれに連携しながら各種サービスの提供を行っております。医師、看護師、介護職員など、職種間・施設間で同一個人のカルテを使用するため、電子化以前には、紙カルテを山のように積んだカートで、広い敷地内を移動しなければならないという状況でした。その結果として、カルテ記入のための職員の待機時間が長くなり、残業時間の増加にも繋がっていました。
また、手書きの紙カルテにおいては、書き手によって判読困難なケースもあり、誤読の危険性や、電話などで改めて内容を確認しなければならないという手間が生じていました。
記録に関わる職員は全職員の47%となる173名に上っていたため、サービスの向上やコスト削減の面からも、カルテの運用フローを見直す必要がありました。
そうした事情から、情報共有の正確性・迅速性を確保するため、施設間で一元的に情報を紐付けるシステムの電子化は施設運営の課題となっていました。
柔軟なシステム構築と導入後サポートの信頼性の高さが採用の決め手に
2010年に電子カルテシステム導入のための委員会を設置し、組織全体の電子化に向け会議を重ねました。業者の選定は、利便性・拡張性・稼働性・信頼性・サービスという評価基準を定め、5つの業者を対象に審査を行いました。しかし、当法人のように医療のみならず、介護・福祉までもが混在した事業形態を一元的に取り扱うという課題に関しては、候補となったほとんどの業者のプレゼンテーションが不安の残る内容でした。そんな中、日本光電グループのベネフィックス社がそうした課題に対し、当法人の個性に歩み寄った柔軟なプランを提示してくれたことが同社を選ぶ決定打となりました。
また、当法人の職員の中では電子カルテシステムの運用経験者が一人しかいなかったという事情もあり、システム導入後のサポートや運用方法の指導・見直しにしっかり対応してもらえそうだったこともベネフィックス社を選んだ大きな要因です。特にパッケージ化されたサービスの提供だけで終わらせず、現場からのフィードバックを受けてシステムのカスタマイズを積極的に行ってもらえる点は、通常の医療機関の枠に収まらない当法人にとって大きなメリットとなりました。
導入効果
医療・介護・福祉のスムーズな連携でより安全で快適なサービスの提供が可能に
外来診察室前の広々とした待ち合い
システムは、まず、医療・介護・福祉の各施設どこでも共通して使える「利用者カード」を作り、利用者一人ひとりの情報をID番号で一元的に管理できるようになりました。受付の際には、ID番号をコンピュータに入力することにより、膨大な紙カルテをいちいち探す手間が省け、速やかに利用者の情報を呼び出すことができます。また、レントゲンや内視鏡をはじめとした、各種検査データもカルテに紐付けされたことで、瞬時に呼び出せるようになりました。予防接種などの書類作成もスムーズ。種々の作業時間が大幅に短縮されたことにより、利用者の待ち時間が削減でき、コミュニケーションの時間をより多く取れるようになりました。
一方、手書きカルテで生じていた、判読の困難さも解消され、誤認のリスクや再確認に時間を取られることもなくなりました。システムには薬の在庫状況も反映されるので、ストックのない薬の処方を間違って出してしまうこともありません。
各職員がそれぞれのセキュリティ権限に基づいてカルテにアクセスし、情報を入力することができるので、課題であった職種間・施設間の利用者情報の記録に関わる時間ロスも解消できるようになりました。
運用を開始してから1年半以上経ちますが、現在も月1回、運用状況を精査するカンファレンスを実施しています。毎回ベネフィックス社からも担当者に出席していただき、「フィードバック→カスタマイズ」というシステム改善の流れができているので、たいへん心強く感じています。
今後の方針
今後はCTなど検査機器の導入も検討しているので、そうした新しい機器のシステムへの紐付けは常に行っていきたいと思います。また、訪問看護などでの遠隔からのシステムへのアクセスや、職員の勤怠管理のシステムへの紐付け、利用者の生体認証での受付、PC以外の端末での利用など、細かな点も含めて、電子化で可能となったことはベネフィックス社と協力しながら、随時取り入れていきたいと考えています。
当法人は今後も、さらなる業務の効率化とサービスの向上に努めてまいります。
ベネフィックスへの期待・要望
ベネフィックス社には、これまでと同様、当法人の電子カルテシステム運用委員会に参加いただき、引き続き現場に近い立場でのシステム運用のアドバイスをお願いいたします。これからも共により良い環境を作り出すパートナーとしてお付き合いさせていただきたいと思っています。
業務IT委員会の皆様
システム構成図
インフォメーション
社会福祉法人 希望の家
療育センター きぼうhttp://www.kibounoie.or.jp/
「希望の家」は、1975年に障害児とその母親の憩いの場として発足しました。その翌年には社会福祉法人となり、1978年度には、重症心身障害児(者)を対象とした「希望の家療育病院」が竣工。次いで、通園事業、訪問看護、リハビリテーションなど地域の要望に添う事業を展開してきました。また、1996年に特別養護老人ホーム「のぞみの苑」、2004年に障害者デイサービス「あおぞら」、2006年に情緒障害児短期治療施設「青い鳥ぐんま」、2008年に「北関東アレルギー研究所」をそれぞれ開設しています。
このように社会福祉法人「希望の家」は、重症心身障害児(者)、発達障害児、老人を代表とした社会的弱者、及び地域の方々に医療・介護・福祉サービスを提供させていただいております。
今後も地域に根差し、貢献していける事業所であるべく、スタッフ一同、より一層の努力を続けてまいりたいと思います。